宝船に乗った7人の神様といえば、「七福神」ですね。
七福神は昔からいる由緒ある神様で、とても大きな招福の力を持っています。
船には「宝」と書かれているし、七福神は日本生まれの縁起物と思っている方も多いのではないでしょうか。
実は七福神はインド、中国、日本からきた神様で国際色豊か。
その中でも日本の神様は実は1人だけなのです!
今回はこのたった一人の日本の神様について解説していきましょう。
七福神のたった一人の日本の神様
七福神それぞれのルーツはインドや中国が主ですが、実はたった一人、日本人がいるのをご存じですか?
たった一人の日本生まれの七福神、それが「えびす(恵比寿・夷・恵比須・蛭子・えびす)」なんです。
海運守護、商売繁盛、五穀豊穣にご利益があるとされていて、狩衣を着て釣り竿を持ち、鯛を脇に抱えて宝船に乗っているんですが、鯛と釣り竿とその見た目通り、海に縁の深い神様なですね。
海から来たという逸話も多く残っており、漁村で祀られることが多い神様です。
日本は海に囲まれた国ですので、自然とこのような神様になったと想像できますがまさにその通り。
えびす様の由来も海と密接に関係しているんですよ。
七福神唯一の日本人「えびす」の由来
そもそもえびすは、蛭子大神(ひるこのおおかみ)のことで、『古事記』によると伊邪那美命(いざなみのみこと)の最初の子であったといわれています。
しかし3年経っても立てず、天磐楠船(あまのいわくすふね)に乗せられて流し捨てられたのだそう。
日本には昔から福は外からやってくるという考えがありますが、流し捨てられたえびすが逆に海から戻り、福をもたらす神様として崇拝されるようになったといわれています。
長し捨てられたというのに福をもたらしてくれるってなんて器の大きな神様だろう・・・
普通だったら恨まれても良い気がするんだけどな。
この疑問の答えは、昔から日本では、海から流れ着いた漂流物は全て「えびす」とする考え方からきています。
なんと水死体も「えびす」とされていたそうですよ!
海から来た漂流物=外から来たもの=福が来た ということなのでしょう。
毎年1月10日に「福男」選びを開催して話題になる、「西宮神社」。
西宮神社
この神社はえびすを祀る総本社で有名ですね。
西宮神社がえびす様を祀るようになったのは、西宮の漁師が神戸の海で、流れついた蛭子大神の像を引き上げ、それを夷三郎殿として敬うようになったことから始まったといわれており、操り人形を使ってえびすの信仰を広めました。
これは「えびすかき」といい、人形浄瑠璃文楽の由来であるといわれているんですよ。
ところでえびす様って大黒天と横並びで祀られていることが多いんですが、疑問に思ったことはありますか?
大黒天はインド生まれ、えびす様は日本生まれですし、どうしてでしょうか?
恵比寿が大黒天と並びで祀られる理由
恵比寿が大黒天と並んで祀られているのは、大黒天の「大黒」が「大国」と派生し、神道である「大国主命(おおくにぬしのみこと)」と折衷(異なった考え方のよいところをとり合わせること)させ、同じ神となったことからこのようになったといわれています。
えびす様は大漁の神様、大黒天は五穀豊穣の神様でなので、2神が1つの神になることはご利益が2倍になるとして、縁起のいい組み合わせだと歓迎されたようですよ。
日本人って本当に縁起担ぎが上手ですよね!
七福神の中で日本の神様はたった一人しかいなかった!まとめ
今回は、七福神の中でたった一人の日本人であるえびす様いついてのお話でした。
いかがでしたか?
まとめると、
- 七福神のたった一人の日本の神様はえびす様である。
- えびすは伊邪那美命の最初の子で、3歳になっても立てなかったことから流し捨てられた。
- しかしまた海から戻り福をもたらすとされている。
- 西宮神社がえびす様を祀るようになったのは、西宮の漁師が神戸の海で、流れついた蛭子大神の像を引き上げ、それを夷三郎殿として敬うようになったことから始まった。
- 西宮神社は人形浄瑠璃文楽の発祥。
- 恵比寿が大黒天と並びで祀られる理由は大黒天の「大黒」が「大国」と派生し、神道である「大国主命」と折衷されたため。
でしたね。
七福神ってすべての神様が日本人ではないことには驚かされましたね!
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